もものともしび

ほのかにひかる

碧の翼

視界の端をコバルトブルーがかすめた。

職場の近くには川が流れていて、昼食を取りに外へ出ると川沿いを歩くことになる。いつもの光景なので、川が流れる様子を見たりはしない。いつものように、川沿いを歩く。視界の端を碧がひらめく。思わず立ち止まって、川を覗き込む。カワセミが3羽集まっていた。この川にもカワセミがいたんだ、と驚く。水量の少ない川なので、普段はカモがぺたりと浮いているくらいなのに。1羽でも珍しいのに、3羽も見るなんて。カワセミたちが何を話し合っていたのかは知らないけれど、できればこの街にそのまま住んでいてほしいと思う。