もものともしび

ほのかにひかる

半分は優しさ

帯状疱疹になった。数日前から、なんとなく背中が痒かったり、ピリピリと痛かったりしていた。鏡で背中を見たら、発疹が出ていた。最近暑かったからなぁ、あせもでも出来ちゃったかなぁ、なんてのんきに考えて、家にあった痒み止めを塗って様子を見ていた。ピリピリするのはなんでだろう、と不思議に思って、病院に行ったら、「あー、帯状疱疹ですねぇ」と言われてしまった。

「最近、忙しかったですか?」と聞かれたので、素直にそうですね、と答える。疲れやストレスが溜まって免疫が弱まると症状が出るのだという。免疫が弱まるほどの忙しさだったかというと、そうでもない気がして不思議な気持ちになる。2連休になった休みは、のべのべと布団にこもったり、散歩したり、悠々自適に過ごしているというのに。

飲み薬出すので飲みきってくださいね、と言われた薬を受け取ってみると、大きめの錠剤で原因に対抗するやる気に満ちた顔をしている。その他にも色々と飲み薬をもらい、塗り薬ももらい、仕事に行った。

職場で、どうしたの、と聞かれたので正直に帯状疱疹でしたと答える。近くの席のマダムから「めちゃめちゃ痛いよー!」と言われて、今は我慢の範疇にあるピリピリがどうしようもないくらいになったら、なんて考えてぞっとする。行かなきゃいけない現場も控えているし、新人さんに仕事を伝えねばならないのも待っている。今週はくたばっている場合ではないのだ。

昼休みになって、食後にやる気に満ちた錠剤とその他大勢を飲む。その他大勢の中には痛み止めと胃薬が入っていた。某頭痛薬の宣伝は、半分は優しさでできている、だったな、なんて思いながら、お茶を片手にがぶがぶ飲む。半分の優しさは胃薬で出来ていると何かで聞いたのを思い出す。帯状疱疹に対抗する半分も優しさだと良い。