もものともしび

ほのかにひかる

みんなちぎりパン

生後3〜5ヶ月の子どもを見かけると、ちぎりパンだ、と思ってしまう。その月齢特有のもっちりした四肢を見ると、どうしてもちぎりパンにしか見えないのだ。ふくふくとした腕や脚を心赴くままに動かしている様には、生命を感じて少しわくわくしてしまう。自分が将来子どもに恵まれても、きっとちぎりパンだ、と思うのだろう。

スレンダーな人や筋肉の鎧をまとった人を見かけても、でも小さい時はちぎりパンだったんだから、と思う。ちぎりパンから今の体型になるまでの過程を考えると、人ってすごいなぁなんて感慨にふける。

友人に、人ってみんなちぎりパンなんだよ、と話したら、訝しげな顔をされた。そりゃ、そうだ。話をすると一応は納得してもらえたので、事あるごとに「でもみんなちぎりパンだからしょうがないよね」と言っている。パンに優しくあるように人に優しくありたい。